プロローグ

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ちょっと、待ってよ。 なんで、なんでそっちに行くの? 「待って!!」 私の声は虚しく響く。 あの先は断崖絶壁。 まるでサスペンスドラマに出てくるようなゴツゴツした岩肌。 そして海から押し寄せる高い白い波がザパーンと大きな音を立てながら打ちつけている。 薄気味悪い林を一列で登っていく不気味な一行。 膝頭まである草を踏みつけ、更に草さえ生えていない丘の頂上を目指している。 15人もの人が列をなし歩く姿は奇妙極まりない。 そしてその中に私の親友がいる。 「待ってよ。友梨待って!!」
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