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・・・・・
「悪かったって!遠征の後、皆でちょっと打ち上げしてたんだよ」
「お兄ちゃんてば、何時もそればっかり!私がどれだけ心配してるか、判ってないんでしょ!」
「んな事ないって。俺は、何時だってお前を思ってるんだから」
「…ならいいけど。今度は早く帰ってよね?」
「あぁ、判ってるよ」
・・・・・
「ブラウ?」
「ん?…あぁ、ごめん。ちょっと昔を思い出しててね」
反応のない事に首を傾げていた椿に苦笑をしたブラウ。
「そう…いい妹さんだったんだね」
「あぁ…凄く…いい奴だった…」
椿が微笑んで告げると、何処か寂しげにブラウは頷いた。
「ブラウ…?」
そんなブラウの様子を椿は心配そうに見つめて。
「二人とも、邪魔すんぜ」
コンコン、とドアをノックして人が入ってきた。
「ヴィオレット?何の用だよ」
人の正体はヴィオレットだった。
「クヴェレ殿からのご伝達だ。皆、会議室に集まる様に、ってな」
「クヴェレ上官が?…判った。椿ちゃん、行こう?」
「あ、うん」
椿は頷き、身支度を整えた。
「…ブラウ。あんま私情を挟むなよ、救世主には」
『ロートといい、ヴィオレットといい…皆して何なんだよ……。俺は私情なんか挟んじゃいない。ちゃんと救世主は救世主だって割り切ってる。妹と…あいつと混合したりもしてない。俺は…警告される様な事なんて、何一つないんだ。ちゃんと…割り切ってるんだから…』
・・・・・
「よく来ましたね。さぁ、お座り下さい」
椿とブラウは一番最後だったようだ。
他の全員が着席している。
ブラウと椿も着席をした。
「皆様を呼んだのは他でもありません。…教会へ参ろうと思います」
冷静に。
あくまでも冷静にクヴェレが言う。
「ついにこの時が来たんだ~…」
「…それで、僕等は教会へ向かえばいいんですか?」
ゲルプが驚いてる様子の中、海が冷静に問いかける。
「えぇ。救世主の皆様には、教会へ行って頂きます」
「…面倒だけど仕方ないね。是で終わりに出来るんだし」
ため息交じりに海は言った。
そうこれで終わりなのだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!救世主達だけを行かせるんですか!?」
ガタッ、と音を立てて椅子からブラウが立ち上がって声を荒げた。
「無論、そのつもりですが?」
「そんなの危険過ぎます!俺は反対です!!」
冷静なクヴェレに食い下がらないブラウ。
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