第1章

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・・・・・ 「悪かったって!遠征の後、皆でちょっと打ち上げしてたんだよ」 「お兄ちゃんてば、何時もそればっかり!私がどれだけ心配してるか、判ってないんでしょ!」 「んな事ないって。俺は、何時だってお前を思ってるんだから」 「…ならいいけど。今度は早く帰ってよね?」 「あぁ、判ってるよ」 ・・・・・ 「ブラウ?」 「ん?…あぁ、ごめん。ちょっと昔を思い出しててね」 反応のない事に首を傾げていた椿に苦笑をしたブラウ。 「そう…いい妹さんだったんだね」 「あぁ…凄く…いい奴だった…」 椿が微笑んで告げると、何処か寂しげにブラウは頷いた。 「ブラウ…?」 そんなブラウの様子を椿は心配そうに見つめて。 「二人とも、邪魔すんぜ」 コンコン、とドアをノックして人が入ってきた。 「ヴィオレット?何の用だよ」 人の正体はヴィオレットだった。 「クヴェレ殿からのご伝達だ。皆、会議室に集まる様に、ってな」 「クヴェレ上官が?…判った。椿ちゃん、行こう?」 「あ、うん」 椿は頷き、身支度を整えた。 「…ブラウ。あんま私情を挟むなよ、救世主には」 『ロートといい、ヴィオレットといい…皆して何なんだよ……。俺は私情なんか挟んじゃいない。ちゃんと救世主は救世主だって割り切ってる。妹と…あいつと混合したりもしてない。俺は…警告される様な事なんて、何一つないんだ。ちゃんと…割り切ってるんだから…』 ・・・・・ 「よく来ましたね。さぁ、お座り下さい」 椿とブラウは一番最後だったようだ。 他の全員が着席している。 ブラウと椿も着席をした。 「皆様を呼んだのは他でもありません。…教会へ参ろうと思います」 冷静に。 あくまでも冷静にクヴェレが言う。 「ついにこの時が来たんだ~…」 「…それで、僕等は教会へ向かえばいいんですか?」 ゲルプが驚いてる様子の中、海が冷静に問いかける。 「えぇ。救世主の皆様には、教会へ行って頂きます」 「…面倒だけど仕方ないね。是で終わりに出来るんだし」 ため息交じりに海は言った。 そうこれで終わりなのだ。 「ちょ、ちょっと待ってください!救世主達だけを行かせるんですか!?」 ガタッ、と音を立てて椅子からブラウが立ち上がって声を荒げた。 「無論、そのつもりですが?」 「そんなの危険過ぎます!俺は反対です!!」 冷静なクヴェレに食い下がらないブラウ。
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