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だがクヴェレは。
「ブラウ、黙りなさい。何時から貴方は上官に命令出来る様になったのです?」
「でも…!」
「クヴェレ様?あたしもブラウの意見に賛成です。救世主様方はまだ其処まで強くない…五人で行かせるなんて、負けに行かせる様なもんですし」
ロートが助け船、と言わんばかりに微笑んで口をはさんだ。
ロートが口をはさむと、次が出てくる。
「ぼ、僕もです!確かに救世主の皆は、大分強くなったけど…でも、今のままじゃ死んじゃう可能性のが高いです。だから…!」
「クヴェレ殿。俺等もついていけばいいんじゃないですか?その方が安心でしょう?…色々と」
ヴィオレットは何処か意味ありげに言って見せた。
ロートはそこを聞き逃さなかったが、あえて言及しなかった。
今はその時ではない、と。
「……仕方ありませんね。では、皆に行って貰いましょう。作戦開始は明日、正午。準備はそれまで整えておく様に」
クヴェレはため息交じりに告げたが、何かを企んでいるようにも見えた――気がした。
各々解散し始める。
「明日、か…是で僕等も元の世界に帰れるんだね」
海がため息交じりに告げた。
「そうね、明日…終わらせなくちゃ」
波が緊張しながらも柔らかく告げる。
「大丈夫よ。皆居るんだもの…きっと大丈夫」
由佳里が安心させるかのように優しい声で言う。
「…頑張りましょうね」
桜は笑みを含んだ感じで言った。
・・・・・
『準備はもう始まってた…クヴェレさんは用意周到なのね。…姉さん…姉さんは、帰れって云ったけど…あたし、逃げたくない。だから、戦うわ。…皆が居るから、大丈夫。……姉さんを見付ける為にも…頑張るから』
七話。終了。
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