第1章

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だがクヴェレは。 「ブラウ、黙りなさい。何時から貴方は上官に命令出来る様になったのです?」 「でも…!」 「クヴェレ様?あたしもブラウの意見に賛成です。救世主様方はまだ其処まで強くない…五人で行かせるなんて、負けに行かせる様なもんですし」 ロートが助け船、と言わんばかりに微笑んで口をはさんだ。 ロートが口をはさむと、次が出てくる。 「ぼ、僕もです!確かに救世主の皆は、大分強くなったけど…でも、今のままじゃ死んじゃう可能性のが高いです。だから…!」 「クヴェレ殿。俺等もついていけばいいんじゃないですか?その方が安心でしょう?…色々と」 ヴィオレットは何処か意味ありげに言って見せた。 ロートはそこを聞き逃さなかったが、あえて言及しなかった。 今はその時ではない、と。 「……仕方ありませんね。では、皆に行って貰いましょう。作戦開始は明日、正午。準備はそれまで整えておく様に」 クヴェレはため息交じりに告げたが、何かを企んでいるようにも見えた――気がした。 各々解散し始める。 「明日、か…是で僕等も元の世界に帰れるんだね」 海がため息交じりに告げた。 「そうね、明日…終わらせなくちゃ」 波が緊張しながらも柔らかく告げる。 「大丈夫よ。皆居るんだもの…きっと大丈夫」 由佳里が安心させるかのように優しい声で言う。 「…頑張りましょうね」 桜は笑みを含んだ感じで言った。 ・・・・・ 『準備はもう始まってた…クヴェレさんは用意周到なのね。…姉さん…姉さんは、帰れって云ったけど…あたし、逃げたくない。だから、戦うわ。…皆が居るから、大丈夫。……姉さんを見付ける為にも…頑張るから』 七話。終了。
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