12人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょうどその頃、サレストが使用人を欲しがっていたこともあって、ジュストは奴の家で働くことになった」
「ルネは……そのこと、どう思ってたんだろう」
そんな場合じゃないのはわかっていたが、ついつい好奇心に負けて聞いてしまった。
「ジュストが自分のことを好きなのを知ってたのかな? ルネが本当に好きだったのは──」
「さあな。それは自分で思い出すんだな」
伊波はそっけなく言った。
「それよりも、今回の件に関わってくるのはその先だ。ジュストがサレストの家へ行くことになったのは、ただ単に、ルネの父親とサレストの利害関係が一致したからというわけじゃない。どうやらサレストは、村の中でときどき見かけていたジュストに、前々から目をつけていたらしい」
最初のコメントを投稿しよう!