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時刻は午後八時半。
私は澪からレイへと変身する。
この格好で外を歩いて澪だとばれることはまず、ない。
いつものグラブに向かう。
扉をあけるとこちらに手を振る小柄な女の子。
―鈴華だ。
彼女はこのグラブで知り合った子だ。夜限定とはいえ唯一の友達だ。
「遅かったね、レイ。」
「うん…ちょっとね。」
当たり障りのない返事を返す。
“お互いのことは深く探索しない”
ここにいるための暗黙のルールだ。
もちろん鈴華の名前以外の情報は一切知らないし、まず鈴華という名前だって本当かわからない。
鈴華だってきっと私の身の上なんて全く知らないだろう。
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