第3章

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ふと、考える。 沢部を相手に、割り切って付き合える女は一体どれほどいるんだろうか。 男から見ても十二分にその魅力を理解出来るのに、それに抗える女がいるとすれば、 それはもうきっと最強な女に違いない。 かなり年上の遊び慣れたマダムか、はたまた全て見知り兄弟感覚の幼馴染か。 どちらにせよ、こいつと遊ぶには相当男慣れしていないと無理だろう。 きっと、生半可な気持ちで近付けば。 全てを持って行かれる。 抗おうとしても堕ちて行き、気付けば抜け出せないほどにのめり込む。 そうさせるほどの妖しげな魅力が、こいつにはある。 羨ましい…… とは、思わなかった。 ただ、近寄りたくはねぇな、と。 これ以上は近寄りたくない。 絶対に。 俺の直感は当たるんだよ。 近付いちゃ、ダメだ。
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