15人が本棚に入れています
本棚に追加
「君は…何を期待して、ここまで来たの?」
春井さんの顔があの時、私に関わりたくないって言った時の冷たい表情。
「は、離して下さいっ!」
「さっきも言ったけど、ここには悪魔は入れない。ここに入れる悪魔はキョウカだけ。」
春井さんを見上げた。
「キョウカは私です。あのキョウカには会えません!!」
ふっと笑うと、少し怖い顔で私の頬に触れた。
「君に乱暴したら、キョウカが現れるかもしれない…」
私の瞳から勝手にポロポロと涙が零れた。
そんな事で私は呼ばれたの?
私の気持ちを知っていて…私の中のキョウカを引き出す為に、私に乱暴すると言うの?
春井さんは私の涙を指で掬う。
「どうして…」
最初のコメントを投稿しよう!