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私の部屋のリビングに二人で立っている。
カインが私を腕の中に閉じ込めたまま動かない。
カインに私の胸の鼓動が聞かれてしまいそうな位、激しく高鳴る。
「カイン…あの、離して…」
「…悪い。まだ、離せない。」
カインの手が背中を撫でる。
「キョウカ…、俺はお前から離れる事は出来ない。お前が他の誰かを好きでも、お前が俺を嫌おうとも、お前を愛している。」
身体が熱をもつ。
さっき、私の…大切な人…なんて言ってしまった。
私…カインの事が、好き…?
身体中が脈打つように鼓動が早まる。
震える指先が何かに触れていないと落ち着かない。
カインの真っ白いシャツをぎゅっと握りしめた。
カインの腕に力が込められ、我慢できない位胸が騒いだ。
「カイ…ン…」
呟く私の唇をカインの唇が塞ぐ。
それはとても甘美な…蜜のような、今まで感じた事もない、身体中をとろけさせ幸せな気持ちにさせるキスだった。
耳元で囁かれる、カインの声に、言葉に…魔法がかかったように目を閉じた。
「キョウカ、愛してる。」
掠れたカインの声がセクシーで、気が遠くなる。
「お前も俺が好きだろ?」
「…うん。」
きつく抱きしめられ、カインが触れる背中や腕が熱をもつ。
その感覚が気持ちよくて…もっと触れて欲しいと思ってしまう。
「カイン…」
「そんな顔して、俺を誘ってるのか?」
顔から火が出そうな位顔が熱くなった。
私…どんな顔してるの?
思わず顔を逸らしてカインの胸に顔を埋めた。
「…いいのか?」
心臓の鼓動が一層早まり、どうにかなりそう!!
それって…つまり…、そういう事?
震える指でカインのシャツを握りしめる。
優しくふわりとカインが私を抱き上げた。
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