action 1

28/38
前へ
/651ページ
次へ
要さんも、結局は他の男たちとなんら変わりが無いんだと思ったら、悔しさと失望が襲って私は俯き下唇を噛んだ。 ひたすら出口に向かって歩いていたのだけど、私は俯いて歩いた所為で前をよく見ていなかった。 前から歩いて来た男女がいる事に気づかなくて、 すれ違いざまに トンッーーと軽く、私の肩が男性の身体に触れた。 「すっ...すみませんっ!」 慌てて顔を上げながら言うと、男性が「いえ、大丈夫ですよ...」と返してきたのだが、その声はどこか聞き覚えがあった。 ーーーあ..... 顔を上げた私を上から見つめる男性。 その男性の声、聞き覚えがあるはずだ。 だって私が数時間前に会社で受付カウンターで会ったヒト 須賀 真白だったのだから。 やばいっーーー! 咄嗟にそう思ったけど、数時間前に受付嬢の私をジっと見ていた須賀 真白。 でも今は私の顔を見ても表情を変えずに、スッと私から目を逸らした。 そして、そのまま何もなかったように連れの女性と歩き出す。 あ、私の事を覚えてないんだ。
/651ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6230人が本棚に入れています
本棚に追加