action 2

3/33
6231人が本棚に入れています
本棚に追加
/651ページ
スプーンで潰されて、チャイフロートのアイスは原形をとどめないぐらいに溶けて。 それをスプーンでかき混ぜれば、グラスの中のチャイフロートはドロドロになってしまった。 それはまるで、今の自分の気持ちのようで…イラっとするから、更に勢いよくかき混ぜる。 そんな私の一連の動作を見ていた依代ちゃんは「はぁー」と大きなため息をついた。 「あのね、そんな直球で話さなくてもいいけど…もっと、何かこう、上手な言い方があるでしょ? 」 「どんな?」 「どんなって……」 言葉に詰まる依代ちゃん。 私はチャイフロートをストローでズズっと吸いながら、上目遣いで見つめた。 依代ちゃんは、何て言えばいいか考え込んでいるようで。 そんな依代ちゃんに、私は淡々と言葉を放つ。 「別に依代ちゃんが考え込まなくてもいいよ。それに沙耶ちゃんが要さんと付き合うか、どうかわかんないし。っていうか、付き合わないんじゃないかなー」 「え?」 「なんかね、高校時代の友人の男の子からも告られてるらしくて、今のところ年が離れている要さんは、不利な位置にいるらしい」 そう言って私は意地の悪い笑みを、ニヤリと浮かべて笑った。
/651ページ

最初のコメントを投稿しよう!