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スプーンで潰されて、チャイフロートのアイスは原形をとどめないぐらいに溶けて。
それをスプーンでかき混ぜれば、グラスの中のチャイフロートはドロドロになってしまった。
それはまるで、今の自分の気持ちのようで…イラっとするから、更に勢いよくかき混ぜる。
そんな私の一連の動作を見ていた依代ちゃんは「はぁー」と大きなため息をついた。
「あのね、そんな直球で話さなくてもいいけど…もっと、何かこう、上手な言い方があるでしょ? 」
「どんな?」
「どんなって……」
言葉に詰まる依代ちゃん。
私はチャイフロートをストローでズズっと吸いながら、上目遣いで見つめた。
依代ちゃんは、何て言えばいいか考え込んでいるようで。
そんな依代ちゃんに、私は淡々と言葉を放つ。
「別に依代ちゃんが考え込まなくてもいいよ。それに沙耶ちゃんが要さんと付き合うか、どうかわかんないし。っていうか、付き合わないんじゃないかなー」
「え?」
「なんかね、高校時代の友人の男の子からも告られてるらしくて、今のところ年が離れている要さんは、不利な位置にいるらしい」
そう言って私は意地の悪い笑みを、ニヤリと浮かべて笑った。
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