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「……と、いうわけで、敢えて沙耶ちゃんに全部は話さなくてもいいかなぁーって」
ニヤニヤ笑う私に、依代ちゃんは片方の眉をピクと上げた。
「あのね、晶。このままで終わればいいって思っているんじゃないの?」
「え?……そうだけど?」
「バッカじゃないの? 終わる訳ないでしょっ!」
「は? なんで?」
驚く私に、依代ちゃんはまた「ハァー」と大きくため息をついた。
「晶の元カレ、要っていうおっさんは…」
「ぷはっ!」
要さんをおっさんと言った依代ちゃんに吹き出して笑えば、依代ちゃんはギロリと睨む。
「……すみません」
シュンとする私。
「……おっさんってのは、年がいけばいくほど、しつこいの。で、ずる賢くて、要っておっさんもその通りだと思うのよね」
世の中のおっさんと呼ばれる中年男性は性悪男、悪だという図式。
それには少しだけ異議を唱えたい気分なのだけど...
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