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「晶は警戒していても、素直に人を信じてしまうタイプだと、私は思ってるよ。だから一度、警戒心を解けば、その人対して絶対的な信頼を寄せてしまう。騙されて裏切られても、間違いじゃないかと、もう一度、相手を信じようとするタイプだと思うのよね」
「……」
「そんな晶の性格を見抜いてたから、要さんはずる賢く立ち回ってたと思うの。今は晶に拒絶されていても、いずれまた晶に近づいて、口上手く何かを言うかもしれない。そうなったら晶は要さんを信じてしまうんじゃないかなって……」
「違う! 私はもう信じたりしないっ!」
「ううん……違わないよ」
私が否定したのに、依代ちゃんはまたゆっくりと首を横に振る。
「晶だって、自分でもわかってるから、要さんをブロックして、無視して、必死に堪えてる……そうでしょ?」
依代ちゃんは私を優しく見つめて首を傾げて柔らかく笑う。
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