6230人が本棚に入れています
本棚に追加
「晶はいつも自分は大丈夫だって、強く見せようとするけど、人から与えて貰った、小さな優しさの一つでも嬉しいって……素直に喜ぶ子だと、私はわかってる。だからね、そんな晶に付け入るような真似をする男は、許せないから。私は、別れて良かったと思うよ」
依代ちゃんの言った言葉。
心に響く。
「晶が本気で要さんって人と別れたいって縁を切りたいと思っているなら、ハッキリと沙耶ちゃんって子に言ってもいいんだし。晶は沙耶ちゃんを傷つけてしまうかもって思って言い出せないのかもしれないけど……私だったら、ちゃんと言って欲しい」
「それは……依代ちゃんが、そう思うだけで、沙耶ちゃんは知りたくないかも…」
「そうかなぁ？ 沙耶ちゃんって子は隠されてるって後でわかって、嫌な思いをしないかな？」
「……」
「大丈夫だって。沙耶ちゃんって子、信頼してるんでしょ？ 沙耶ちゃんって子も、晶の事を信頼してくれてるなら、全てを話しても、晶の事を悪くは思わないよ」
私はただ黙り込んで、依代ちゃんの言葉を聞く。
最初のコメントを投稿しよう！