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本当は沙耶ちゃんに言えないと思っている自分が後ろめたくて。
沙耶ちゃんが、どう思うのか...それが怖かった。
「良い子なんでしょ? 晶から見て、良い子って思ったんでしょ?」
「うん……」
「なら、晶の人を見る目は間違ってないし、たまたま要って人は晶の想定外。それだけずる賢い男だったんだし、晶は悪くないよ」
依代ちゃんは、自分の男を見る目が無かったと思う私の気持ちを察して……
そんな女友達の気持ちが嬉しくて…ポロリと涙を溢せば
「ああっ、もうっ! 泣かないのっ!」
依代ちゃんがテーブルの上にあるペーパーナフキンを私に手渡した。
私はそれを受け取り、目頭を押さえる。
「依代ちゃんみたいな……」
「私みたいな?」
「……彼氏が欲しい」
ちらっと上目遣いで私が依代ちゃんを見ると、依代ちゃんは「あははは」と大笑いをした。
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