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まるで内緒話をするみたいに依代ちゃんと私はお互いの顔が近づくと
「棗 久遠(なつめ くおん)ちゃんの男友達と合コンをしないかって言う話なの」
依代ちゃんは小さくヒソヒソと話す。
「え? 合コン? それも棗 久遠ちゃんって...」
「しっ! 晶っ! 声がデカイって!」
依代ちゃんが眉を顰めて、人差し指を口にあてて、シッと言う。
「あ、ごめんっ!」
「久遠ちゃんの名前は小さな声で。誰が聞いているか、わからないのだから」
諌められて、シュンとした顔になって依代ちゃんを見る。
ーーー棗 久遠ちゃんは、今をときめくモデルの女の子。
実は私達の友人の蓮花ちゃんはモデル事務所でマネージャーとして働いていて、久遠ちゃんは蓮花ちゃんが担当するモデルの女の子なのだ。
だから蓮花ちゃんの友人である私達が街中で不用意に久遠ちゃんの事を話題にしてしまって、もしゴシップネタになってしまったら...
そんな事は絶対にあってはいけない。
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