action 2

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私の真正面に座る依代ちゃんは笑いながら「残念ねー。ほんと、目の保養になるぐらいのイケメンだったよ」と、またチラっと私の後方に視線を向ける。 依代ちゃんが何度も見るから、私も気になってしまい、もう一度振り返る。 男の人はもう会計を済ましたのだろう。店を出る間際だった。 だけどもう一度振り返ったから、私はその男の人斜めの顔、頬から耳の辺りが少しだけチラっと見えて、 見えたのだけど...。 あれ? なんだか、似てる? つい最近、見かけた人。 職場で、要さんと最後の別れの時に会った、あの人...須賀 真白に似ているって。 そう思った。 だけどその人が須賀 真白かどうか、確かめたくても、その人はもう立ち去ってしまっていたし、第一、須賀 真白がここにいるワケがないって思った。 だって、神急百貨店に勤めている人だよ? 土日にお仕事をしている職種の人が、このカフェに呑気に座っているなんて、ありえない。 そう思って苦笑いしながら、その想いを振り切るように首を少し横に振った私は 何故、似ていると思ったのだろうって...少しだけ、疑問に感じながらも、 偶然に似た感じの人がいたのだと、 ただそれだけの事だと自分に言い聞かせた。
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