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受付カウンターの前で、いつものように笑みを振りまく私。
ただいつもと違うのは、今日は合コンの日。
メイクがいつもより念入りで、それに気づいた沙耶ちゃんが問う。
「晶さん、今日はデートですか?」
「ううん。違うわよ。合コンに行くの」
ニッコリと微笑み返して言えば、沙耶ちゃんの目が大きく見開いた。
「彼氏と別れたから、合コンで彼氏を探そうって思って」
「ええーーー? 別れたって...ええ?」
「しっ! 沙耶ちゃん、声が大きいっ!」
通り過ぎる社員の何人かがチラっとこちらを見たから、沙耶ちゃんは慌てて首をすくめる。
「すみません...でも、どうして別れたのですか?」
別れた理由を聞かれて、言葉に詰まった。
ここで正直に言う?
要さんと付き合ってて、要さんは沙耶ちゃんにアプローチしていたから、別れたって言う? 依代ちゃんがちゃんと話しても大丈夫だよって、後押ししてくれたけど、此処で話す事じゃない。
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