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僅かに震える指先。
自分が動揺しているんだと認めてしまうから、両手を重ねて強い視線で前を見据えた。
エントランス入口の自動ドアが開く。
その方向へ視線を這わせば二人の男性が入ってきたのがわかったのだけど。
和やかな雰囲気で楽しそうに笑っていて一人はクラウドアートの笹島様で、
もう一人はーーー須賀 真白だった。
ーーーまた会った。
そう思ったけど、それは当たり前で。
須賀 真白は我が社の来客者。
仕事上、会うのは避けられない事だ。
また会う事だってある。
プライベートな繋がりじゃないんだと、わかっていてもーーー気持ちは複雑だった。
それは私があの時、出会って気まずいと思っているからで。
だけど、仕事に徹しようとする私は、そんな事を考えるよりも、須賀 真白がクラウドアートの笹島様と一緒にいること。
そっちの方が重要だと思った。
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