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必死で落ち着かせようとするのに。
それなのに...
私は気づく。
動揺する私の一挙一動をジッと見つめる視線があることに...
それに私は気づいて。
また心が落ち着かなくなった。
だって、その視線の持ち主が誰なのか...わかっていたから。
私はゆるりと、その視線の持ち主の方へ顔を向けた。
私を見つめるのは……
口角を片方だけあげて、笑みを浮べるーーー須賀 真白。
彼が私を見つめる瞳は、あからさまで。
須賀 真白の瞳。
その瞳は、まるで私を嘲笑っているとしか思えなくて。
「ーーーーっ!」
声が出せないまま、息を飲んだ私は、彼から目を逸らした。
このヒトは気づいてたんだ。
あの日、要さんといたのは私だって、
気づいてたくせに。
須賀 真白は気づいてないフリをした。
だけど、今。
須賀 真白は気づいてるんだと知らしめるように嘲笑う。
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