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どうして依代ちゃんが驚きの声を上げたのか、わからなかった。
でも私は依代ちゃんより確実に驚いた顔をして、その人を見ていたはず。
だって、その人ーーーー須賀 真白だったから。
私と依代ちゃんをチラッと見た須賀 真白。
「何? 俺達、何処に座ればいいの?」
顎をクイと上げ、女子だけが固まって座っている状態を指してから、久遠ちゃんに向かって言う。
その姿は眉間に皺を寄せ、高慢な態度で。
会社で見た、須賀 真白とはまるで別人。
いや、これが本当の須賀 真白なのかもしれない。
だって、私の顔をみて、嘲笑ったあの時の須賀 真白の顔が浮かんで。
「……最悪」
と、小さく呟いたけど……
久遠ちゃんが「あ、席は……」と須賀 真白に気弱に言った声と、
「席は移動しますから。晶、依代ちゃん。こっちに移動して」
蓮花ちゃんが指示するテキパキした声で、私の声は掻き消された。
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