第0章

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 『都市伝説』  このキーワード一つで想像する事は人それぞれ違うだろう。  ――例えば【アポロ計画】  人類は月に行っていないという都市伝説。  ――例えば【フリーメーソン】  アメリカに秘密結社があるという都市伝説。  ――例えば【ネッシー】  ネス湖に巨大生物ネッシーがいるという都市伝説。    エトセトラ、エトセトラ。  例を挙げて行けばきりがなかっただろう、昔は。  しかし時代は変わり現在は2100年。  超情報化時代と言われるこの現代に、昔からある都市伝説はほとんど解明され尽してしまっている。  そうして都市伝説を解明し尽してしまった人々は、一つの結論を出した。  曰く『ほとんどの都市伝説はでたらめであると。』  月に行っていないというのはでたらめ。  アポロ計画の画像に高性能スキャンを使用した所、地球上に存在している為映り込んでしまう塵や微生物が映り込んでいなっかった。  とまあこんな感じでお手軽......とはいかないが比較的簡単に調べる事ができる。  こういう時代なので『都市伝説』は現在少なくなっている。  しかし『都市伝説』という言葉がなくなるという事はないだろう。  なぜなら『都市伝説』とは人々がそうあって欲しいという願望、そうだったらいいという希望が生む物だからだ。  もちろんその内容は変わってきている。  化学的に証明しづらい物、現在はインターネットに関する『都市伝説』が大半を占めている。    つまり何が言いたいかというと……  「私も一つ『都市伝説』を広めたいのデスね。」  トーンの高いとても幼そうな女の子の声が空間に響いた。  その空間はとても広く声が反響することはなかった。  「さしあたって、こういう切り出し方をしようと思うのデスよ。」  「【不幸を呼ぶ黒い鷹】を知っているデスか?」と。
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