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(なんだこりゃ!?)
部屋は真っ暗だったが、目が馴れるとダンスホール並みにだだっ広い部屋のそこいらじゅうに人間大のオブジェがある。あるものは転がり、あるものはぶら下がり…、
「サナギには基本の蛹形、オプションで繭、蓑もございますがそちらは追加料金に」
目の前の奇妙な形の袋が半透明に透けていた。
(人の…サナギ!?)
突然、その袋を破って、寝間着姿の男が現れた。気のせいか彼も半透明に見える。
「ああ、ちょうど羽化した方がいらっしゃいました。少し経てばお話が伺えるかと思いますが」
その男に見覚えがあった。
「伊達(だて)君?」
一年前、真田が教育担当になった難関大卒の新入社員だ。が、人付き合いは苦手らしく、うつむいて理屈めいたことをぼそぼそと喋るだけ。
「人の目を見て話せ」
叱責したつもりはないのだが、次の日辞めてしまった。
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