サナギ倶楽部

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説明や模擬体験等を一通り終えた後、「談話室」と金文字で書かれた部屋に通され、身なりを整えた伊達と会うことができた。血色がよく、透けてもいない。 「恥ずかしながらあの後、引きこもってネットゲーム三昧で…真田さん、心配して時々電話くれましたよね?当時は正直、ウザイと思ったんです。でも、だんだん立ち直らなきゃって思えてきて」 伊達はすっかり別人のように堂々と、朗らかに話す青年になっていた。 「そうか…で、やり直せそうかい」 「はい。全ての心の傷が癒えて、自信が取り戻せた感じです。お互い再就職、頑張りましょう」 伊達の笑顔を初めて見た。 真田は入会を決めた。
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