第一章 始まり

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 和弥は目が大きい上に、 一見すると黒にも見える濃い青の瞳で、 しかも黒目の比率が多い。 草食動物の目のようだと、 故郷では言われていた。 「色白だけど、男の子よ」  和弥も昔はこんがり焼けていたが、 コロニー生活ですっかり白くなってしまった。 「流々。 又、冗談でしょ。 こんなに可愛い男の子がいる?」  両手を離して、 確認するかのように和弥をじっと見つめる。 「岡田和弥です。 十八歳。 男です」  親子のせいかもしれないが、 和弥も女性と間違われる事は、幼い頃はあったが、 最近では全く無かった。 こんなに頻繁に間違われるのは、 少しショックだった。
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