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カウントがゼロになった。
機器の値を確認すると、
瀬戸内から戻ってきた携帯電話が、
和弥の手元で鳴った気がした。
映像の中、
天羽の乗った小型宇宙船は光に包まれていた。
「熱量、最大値計測」
小型宇宙船が光の中で、影を無くし、
やがて消えていった。
「金属反応なし」
空間に存在する物が、
全てゼロになった。
テレビの画像も、
光に包まれた後、ノイズのみになった。
そして、慌てたようにCMが流れ出した。
テレビ局に問い合わせの電話が殺到していると、
テロップが流れたが、
何も無かったかのように他の番組が始まった。
「ゼロの値のみか……」
妙に静かに感じる世界には、
熱が消え去るとほぼ全てがゼロの世界になった。
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