第一章 流々へ

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 ゼロの値が変化した時、 出現が始まる。 「東雲。 会ったのが東雲で良かったと、 今、初めて思ったよ」  少なくとも東雲は、 計算式で出来ている面もあるが、 論文よりも実験よりも、 生命の方が大事だった。 その事に、 和弥は救われる。 「そうか?  は、和弥本人が思う以上に、 多分和弥を評価しているよ。 本気で頑張らないと、 付いていけない相手は気持ちがいい。 今回の見事なゼロも、 和弥の機材が出したと考えると、 ゼロだと信じられる、 次に進める」  東雲は、 次のステップに進んだらしい。 和弥は、 スクリーンの移動が始まらない内に、 椅子を宙へ移動し、 足元にもスクリーンを配置し直した。
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