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和弥のポケットに入れていた、
携帯電話が鳴り出した。
電源を切ろうかと、和弥は手に取って、
流々という文字を見た。
「流々?」
激しいノイズが聞こえた。
「和弥。
もうすぐ到着する筈なのに、
全然、星に降りないの。
宇宙船の中は真っ暗で、停電みたい。
もしかして、
故障かな?」
流々の声が、聞こえた。
和弥は、携帯を握り締めた。
出現は成功したのだ。
「流々。
まず食事して、
それから買い物しような、
遊園地にも行こう」
携帯に激しいノイズが入った。
和弥は、
スクリーンの値を見渡して、
ノイズの原因を探した。
「和弥。
宇宙船はこんなにも暗いの?
流々、部屋から廊下にも行けない。
僅かな光もない、
携帯電話も全く光らない」
流々の不安な声が聞こえた。
和弥は、
自分の携帯の音を、
東雲にも送信していた。
東雲は、データから現状を判断していた。
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