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「私もね、
流々が帰って来ないという事が、
事故だという事は分かっているの……」
奈々子は又、泣き出した。
奥から、
流々の父親が出てくると、
和弥と東雲をじっと見つめた。
「事故だと分かっている、
しかし、
君達を追いかけて流々が行ってしまったという事が。
君達がシステムを開発していた人間だったという事が。
まだ話を聞けない理由なんだ」
和弥は、
頭を上げられなかった。
「申し訳ありません」
和弥も東雲も、
謝罪する他に言葉が無かったが、
奈々子は大きく首を振った。
「貴方達のせいでは無いという事は、
分かっているの。
謝らないで……」
奈々子が、
和弥のせいではないと言ってくれる事には救われる。
けれど、
奈々子を泣かせる事になってしまった事は変わらない。
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