第二章 別れは,はじまりのために

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「私もね、 流々が帰って来ないという事が、 事故だという事は分かっているの……」  奈々子は又、泣き出した。 奥から、 流々の父親が出てくると、 和弥と東雲をじっと見つめた。 「事故だと分かっている、 しかし、 君達を追いかけて流々が行ってしまったという事が。 君達がシステムを開発していた人間だったという事が。 まだ話を聞けない理由なんだ」  和弥は、 頭を上げられなかった。 「申し訳ありません」  和弥も東雲も、 謝罪する他に言葉が無かったが、 奈々子は大きく首を振った。 「貴方達のせいでは無いという事は、 分かっているの。 謝らないで……」  奈々子が、 和弥のせいではないと言ってくれる事には救われる。 けれど、 奈々子を泣かせる事になってしまった事は変わらない。
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