第二章 別れは,はじまりのために

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「後、三年、 中央学園都市に残らないとな」    研究を続けて、流々と会うのだ。 「そうだな」  東雲は、 本を開くと、ノートに数式を書いていた。  三年後。  和弥は、 中央学園都市に残っていた、 東雲とはグリーンで別れた後、 別の道に進んだ。 それぞれが最善を尽くさないと、 もう一度流々には会えない。  燃料の研究と、 宇宙船のエンジンの構造で特許を取った和弥は、 中央学園都市で自分の研究室を持つまでになった。 東雲も変わらず、活動し、 中央学園都市で教授の道へと進み始めていた。  色々あるが、 東雲は和弥が理想の相方には違いがないようで、 時折、疲れてやってきては和弥をデートに誘っていた。 話しは流々のことが多かったが、 ディナーの後には必ずホテルの予約があった。 すっかり、 疲れた東雲を癒すのが、 和弥の役目になってしまっていた。
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