第二章 別れは,はじまりのために

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 今回の出現については、 各種の研究所にも協力を求めていた。 瀬戸内とも、 その後連絡を取り合い、 又、 様々な協力要請に答えもしていた。 その瀬戸内に、まだ流々を諦めていないと告げると、 非常に喜ばれた。 宇宙には、 まだ多くの可能性が残っていると、 実証して欲しいのだそうだ。  和弥は、 出現の準備班に機材や素材の搬送を任せると、 一足先に出現箇所の惑星に向かった。 東雲も同乗して、二人で降り立った惑星は、 岩場だけの星だった。 この星に、 九十%の確率で、流々は融合してしまう。 どんなに頑張っても、 三年で出来た事は、 一%を十%に変えただけだった。 「生命が生存出来るようにしたのか?」  融合してしまった生命が、 直ぐに死んだりしないように惑星には水と空気を用意した。 他にも、 様々な物質を用意したが、 他の協力している研究室が欲しいデータは、 無機物の世界に有機物が出来るのか?かもしれない。 もしくは、生命の誕生の謎を解明しているのかもしれない。 和弥と、東雲のように、 固体の流々を求めている研究室はない。 「最低限は用意した」
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