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「ゼロでは無い、
可能性に賭けているのですね」
瀬戸内が淡々と、
しかものんびりと和弥を捕まえた。
和弥は、
宇宙服のまま、情報局の巨大な宇宙船を歩いていたが、
瀬戸内の方から見つけてくれて助かった。
あまりに巨大だったので、実は迷子になっていたのだ。
「瀬戸内室長」
後で知ったのだが、
やはり瀬戸内はこの巨大な情報局の上層部の人物だった。
役所勤めが向いていないらしく、
ふらりと消える有名な人物だが、
ほぼ全ての機材の設計に係わっていた。
和弥も東雲も、
情報局で働かないかと誘われていたが、
研究を捨てられないでいた。
「元気そうですね。
先程、出現の物質を拝見しました。
よく、あんな変な物質を探してきますね。
感心します」
瀬戸内は、にこにことしていた。
和弥は、
物質の情報を瀬戸内には渡していなかったので、
瀬戸内が独自で情報を入手していたのだろう。
瀬戸内は、興味がある事に関しては、
神業のように情報を入手する。
「確率を上げるためです」
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