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東雲の指が動き、
ポケットから手帳を取り出した。
何か、数式を書いてぶつぶつと呟き、
ピタリと止まった。
「可能だな」
電磁的に重力が変わる事も可能らしい。
和弥はふと可笑しくなった。
他の人が、バカだと揶揄する状況も、
東雲には数式で解明できる事柄なのかもしれない。
即答する頭脳。
和弥が、惚れこんだ東雲がそこに居る。
惚れ込んだ相手でなければ、
和弥は、
データも体も渡さなかっただろう。
「座って見ているのは、苦痛だな。行くか?」
和弥が、
行って研究してくるか?と問いかけると、
珍しく東雲も笑った。
「そうだな。俺も、数式には飽きてきた。
現場で考えようか。
俺達は重力の減少で筋力が衰える事もない。
そう進化したが、
まだまだ人間には重力が必要だからな」
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