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「生きていると思うか?」
東雲も、スクリーンに問いかけていた。
値はまだ不安定で、
ゆらぐかのように姿も留めていなかった。
「難しい」
和弥も判断が出来ずにいた、
状況だけを見ている立場だからこそ、
じっくりと判断する時間が出来ていた。
迷いが生じたら止めようと、
和弥は出現の前に自分で決めていたが、
まだ止めるとは言えずにいた。
「和弥君、諦めますか?」
泥人形は、溶け出していた。
生命の無かった星には、
植物、そして微生物と次々に生命が生まれていた。
生き物の細胞は、細かく分かれて、
多様な生命になれるのかもしれない。
けれども、
複雑な構造を持つ、
人間に再生する事は無理だったのか。
「土に電気を与えます。最後の不足分を補います」
和弥の指示で、
土の部分に僅かな電流が流された。
溶けかかっていた土は、再び人間の姿に変わっていった。
「家族からお預かりした映像がありますので、
空中に流してください」
思い出して欲しい、かつての姿を。
記憶を取り戻して欲しい。
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