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五分、
どっちに転ぶか分からない状態だというのに、
打つ手はない。
もう少し状況が変化しないと、
怖くて見ていられないのだ。
「拝むか?」
東雲は、首に掛けていたネックレスを取り出した。
「何に? 神にか?」
和弥は、拝む神を探したが、
思い当たる神が居なかった。
そもそも、
無に返ってしまった生命を戻す事を、
許す神が居るとは思えなかった。
東雲が取り出したものも、
文字が刻まれたプレートだった。
「今後、人間には、
全て遺伝子情報で分類された番号が振られるそうだ。
血液型みたいな分類で、
輸血が出来ないとか、組み合わせでの情報が公開される」
東雲は、
首に掛けていた自分のプレートを和弥に見せた。
和弥も、その話は聞いていたが、
まだ自分の番号は調べていない。
「明香利と、一緒に調べる約束をしている」
番号次第では、
明香利と結婚できないかもしれない。
番号には、そういう情報も含まれていた。
「やはり、結婚する予定か?」
和弥は、
明香利と結婚の約束をしていたが、
時期は決めていなかった。
お互いに不自由なく生活できているせいもあるが、
やはりどこかで流々を待っているのかもしれない。
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