第一章 始まり

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「自転車か。 大変だな」  ヘルメットを被っているが、 後ろから長い赤い髪がひとまとめにされ垂れていた。 「レンタカー借りたらいいのに」  声は、若い女性だった。 タンクトップから伸びる手は、 細く長い。 「断られた。 手を折ってギブスだから」  和弥は、 ギブスのはめられた手を見せた。 「あんた、男? 女の子かと思った。 かわいい顔だな」  和弥の身長は、188cmだった。 女性にしては大きいのではないか?  その疑問は、 バイクの女性が降りてすぐに分かった。 その女性の身長は、 和弥と同じくらいあったのだ。
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