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「どこに行くの? 町なら、手伝ってやるよ」
口調はがさつだが、
言っている事は優しい。
ヘルメットを取ると、
赤毛にきゅっと切れ上がった濃い緑の目をした、
りりしい美人だった。
「町。
骨を付けるために、療養予定です」
そうかと言うと、
女性は持っていたロープのような紐で、
バイクと自転車を繋いだ。
「行くぞ!」
和弥が危ないのでは?と指摘する前に、
バイクに跨り走り出していた。
青い空に、濃い緑。
和弥の故郷もこのような星だった。
ただ、
このグリーンはバカンス用だが、
和弥の星は農業の星だったが。
危険と思いつつも、
漕がなくてもいい自転車の快適さは格別だった。
正面の森が途切れると、地面が平らになった。
両側に住宅が並んでいるが、
背の高い建物はない。
景観を重視しているのか、
派手な色の看板も、
建物もない。
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