第一章 始まり

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「どこに行くの? 町なら、手伝ってやるよ」  口調はがさつだが、 言っている事は優しい。 ヘルメットを取ると、 赤毛にきゅっと切れ上がった濃い緑の目をした、 りりしい美人だった。 「町。 骨を付けるために、療養予定です」  そうかと言うと、 女性は持っていたロープのような紐で、 バイクと自転車を繋いだ。 「行くぞ!」  和弥が危ないのでは?と指摘する前に、 バイクに跨り走り出していた。  青い空に、濃い緑。 和弥の故郷もこのような星だった。 ただ、 このグリーンはバカンス用だが、 和弥の星は農業の星だったが。  危険と思いつつも、 漕がなくてもいい自転車の快適さは格別だった。 正面の森が途切れると、地面が平らになった。 両側に住宅が並んでいるが、 背の高い建物はない。 景観を重視しているのか、 派手な色の看板も、 建物もない。
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