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そんなこんなで5年目。
かなり大きめの新規プロジェクトを任せて頂いて、地方に長期出張へと赴きました。
出張先でも用意してもらった住まいにほぼ帰れなかったり、当然荷物を整理する時間もなかったり、出張先の仮眠室を真っ暗にしてUsherを聴いたりしながら仕事してました。
正直これ出世ロードちゃうかほんまドヤァと思っていたので、モチベーションも高く自分なりに一生懸命頑張ってました。
そんな折、実家の母がわりとシャレにならないぐらい体調を崩しました。
僕は母子家庭で、なんやかんやで母にとっての身内は僕しかいません。
焦りました。
その時仕事はまだ落ち着いておらず、僕一人に業務を集中させていたので(ただ自分だけで業務情報等を囲い、評価を集める卑怯なやり方ですが)抜けることも出来ませんでした。
しかし、当時の契約先の責任者様がそれはそれは寛大な方で、何日かだけ一旦帰らせていただきたいとお願いしたところ、業務の引き継ぎもそこそこに僕の出張は終わりました。
母は精神を病んでしまっていて、非常に不安定でした。
極めて個人的な理由で仕事を投げ出してしまった僕に対して、会社の社長をはじめ、たくさんの人達が配慮をしてくださいました。
母から目を離せないという理由から、一ヶ月近く有給休暇を取り、その後も自由出社の自由退社、基本的には大阪と出張先へのメールや電話での対応、引き継ぎ出来ていない業務の遠隔指示だけという、本当に有難い待遇をとっていただきました。
ただ一つだけ、僕は本当にバカでした。
それまでの仕事量とのギャップや環境の変化に戸惑いました。
仕事場に行こうとしてそわそわしたり、無意味に状況確認の電話をしたり、出世が無くなったと勝手に嘆いたり、身体は至って健康な母にイライラして当たったりしていました。
今思えば僕も立派な病気だったのかもしれません。
生きがいを取り上げられたと言うのか、仕事以外にほとんど何もしてこなかった僕は、会社に対しての罪悪感や自己嫌悪に苛まれました。
挙句の果てには会社の人間全員が、母の看病を理由にほぼ出勤せず、偉そうに指示だけを出している自分の陰口を叩いているという被害妄想に取り付かれました。
もう少しだけ続きます。
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