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「俺にはカミサマが付いてるんでね…そんなまどろっこしい技、効きやしないんだよ」
くすくす、と笑ってヴィントが服の誇りを払いながら言う。
「また神様!?一体如何しろっていうのよ…!」
流石のロートも頭を抱える。
【カミサマ】
一体何者だと言うのだろうか。
「ブラウ、ロート…君達が教会へ来るなら助けてあげるよ?俺等は幼馴染じゃないか…こんな殺し合い、したい筈ないだろう?……そう、ロート…君だけでもいい」
ヴィントは何処か優しげに告げた。
そしてロートに手を差し伸べる。
「幼馴染!!?」
ゲルプが驚いてブラウ、ロート、ヴィントを見た。
「…あ、あたしは…」
ロートに微かな迷いが出た。
自分が行けば終わる?
誰も傷つかない?
なら行くべきなのだろうか?
だが信じていいのだろうか?
葛藤がロートの中を駆け巡る。
「思い出して、あの頃の事……俺等は何時も四人で遊んでたじゃないか。ネーベルも一緒に…四人で」
三年前の事を、とヴィントは語り始めた。
八話、終了。
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