第2章 最初の罠

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それから 何の前置きもなく。 「静――」 幼い頃のように 僕を呼び捨てで呼ぶと。 「君に話ってのは……他でもない可偉人のことなんだ」 口火を切った。 「可偉人のこと……?」 「知ってるよ。あいつ君に夢中だ」 律さんの表情からは なにも読み取れない。 「このままアメリカへやろうと思う」 「このままって……?」
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