第2章 最初の罠

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「君はあいつほど馬鹿じゃないから分かるだろ?このままじゃ世間に認められない恋にうつつ抜かして、才能を棒に振るのは目に見えてる。違うかい?」 厳しい口調で問い詰められると 肯定も否定もできずただ息が詰まった。 「君だってそうだ。あの気まぐれが一生君の面倒見るとでも?」 「そんなことは……」 「足を引っ張り合うな。こうするのがあいつの為だし、君の為だ」 知らぬ間に流れ出た涙が 真っ白なテーブルクロスに点々とシミを作る。 「僕は……どうすれば……」
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