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「そうだっけ…?」
「うん…」
私ずっと上の空だったんだ。
てか通話なんてしたっけ…
「ごめんね疲れてるのかも…
最近いろいろあったしなれない環境いってるし…」
「うん…そっか」
「ごめんね浦田。今日は疲れたからもうこのまま帰ってもいいかな」
浦田の寂しげな瞳が私を捉えている。
「うん…いいよ。また会ってね」
「当たり前でしょ」
それじゃあと帰ろうとした私の腕を浦田は引っ張る。
「どうした…?」
「ばいばいのキスしてよ」
いつもどおりだ。浦田は。
いつもと違うのは私。
「ごめん。またね」
私は浦田の言ったことを聞こえないふりして走り出した。
「恋歌…」
ごめんね浦田。
でもこんな曖昧な想いじゃキスどころか会うこともできないよ…。
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