彼氏

4/4
前へ
/10ページ
次へ
「そうだっけ…?」 「うん…」 私ずっと上の空だったんだ。 てか通話なんてしたっけ… 「ごめんね疲れてるのかも… 最近いろいろあったしなれない環境いってるし…」 「うん…そっか」 「ごめんね浦田。今日は疲れたからもうこのまま帰ってもいいかな」 浦田の寂しげな瞳が私を捉えている。 「うん…いいよ。また会ってね」 「当たり前でしょ」 それじゃあと帰ろうとした私の腕を浦田は引っ張る。 「どうした…?」 「ばいばいのキスしてよ」 いつもどおりだ。浦田は。 いつもと違うのは私。 「ごめん。またね」 私は浦田の言ったことを聞こえないふりして走り出した。 「恋歌…」 ごめんね浦田。 でもこんな曖昧な想いじゃキスどころか会うこともできないよ…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加