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「はい!」
「まあいろいろ他にもあるんだけど一気に言われても覚えられないと思うから少しずつ覚えていこう!」
「はいっ」
「1日3つ覚えてくれればいいからさ」
店長は優しく微笑んだ。
やっぱり優しい人だなぁ…
よかった…こんな優しい店長で。
私はふと前働いてた店長のことを思い出した。
…そして思い出すのを辞めた。
具合が悪くなりそうだったからだ。
大丈夫。ここの店長はあんなやつじゃない…。
「ご苦労様ですーっ!」
その時第三者の声が飛び込んできた。
ビクッ。
肩がこわばる。
「あ、白ちゃん!早いな。今日は新しい子が来てるよ」
「ご…ご苦労様です…」
私は今にも消え入りそうなか細い声で挨拶をした。
「ご苦労様です!」
入ってきたのは男の人で、私とあまり身長が変わらないであろう人だった。
ードキンー
胸が高鳴った。
「はじめまして。白沢一真です」
ニコリと微笑んだその人の笑顔は今まで見てきた誰よりも綺麗で。
誰よりも澄んでいて。
誰よりもときめいた。
その時からきっとわたしの心はあなたに釘付けだったのだと。今の私はそう言える。
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