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それを知っているヒューストンが、ここで自分の危機を訴えることは間の抜けた話でしかない。
いくら寝起きだったとは言え、もう少し捻ったことが言えないものか。そんな風に彼が、自己嫌悪に陥りかけたその時である。
ふと何かに思いついたように、ブレアが目を輝かせた。そして不意に近づいてきたかと思うと、少しその長身を屈めるようにして、彼の横にあるロッカーを指差した。
「……?」
「見えるか? あの裏の、壁に貼ってあるやつが」
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