プロローグ

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しかも何故か解らないが、彼には一人になる時間がない。休みの度に、いつも遊びの予定が入るからである。 その為、彼は久しぶりに思う存分、本を読めることが嬉しくて仕方がなかった。せっかく時間もあることだし、とわざわざ父親から『君主論』を借りて読むくらい、喜んでいた。 お客が来るのは、午後のお茶の時間に合わせてである。そんな訳で少々、子供には難解な本を、夢中になって読んでいたナサニエルだったが――ふっ、とそこで目を上げた。
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