第一章

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昼休みは、誰もが思い思いに過ごすものだ。 思いきり腹を膨らませる者もいれば、友人と会話に花を咲かせる者もいる。そして誰もいないロッカー室で、ひたすら眠りを貪る者もいる。 「……ぅ……ん……」 椅子に腰掛け、腕を組んで。 昨夜、同僚の愚痴に付き合わされた彼・ヒューストン大尉は、完全に熟睡していた。 僅かな時間に、どんな場所ででも眠れるようになるのが軍人というものである。そして確かにその瞬間まで、目覚めることはなかったのだ。
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