第1章

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こんな私の事情を知らない関西弁の彼とは、自分の気持ちにブレーキをかけながら続いていた。 彼との出会いがあり、銀座のバイトは週2日に減らした。 金曜日、仕事が終わってから彼とデート。 土曜日は、ダリヤのお手伝いには変わらず行っていた。 一緒にしてはいけないが、似たような境遇の翔子さんに私は強い繋がりを感じていた。 ダリヤのお手伝いだけは、彼とのデートをキャンセルしてでも優先して手伝いたかった。 沢山のことを翔子さんから学び教わった。 東京に出てきて私がはじめて心をあずけた人。 そして、氷のように凍った心を翔子さんが本物の優しさで溶かしてくれた。 半人前の私は与えられるばっかりで、私は翔子さんに何もしてあげたことがない。 いつか恩返しができる日がくるまで、それまでそばにいたい。
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