第1章

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お店の入り口に、掃除道具を入れる物置みたいなのがあるのを翔子さんが見つけた。 横に小さなドアが付いていて、天井はないので、背伸びをしたら上から覗くことができた。 翔子さんが、ジェスチャーしながら、「ここが怪しい。」と言っている。 シーッ。 と静かに合図を送って、3人でせーの。で上から覗いた。 箱の中には、入店するときに案内してくれた店長がマイクを持って、郷ひろみを歌いながら、電卓を打っていた。 その光景を見た私たちは、笑いがこらえきれず、口を押さえてダッシュでトイレに駆け込んだ。 こんな時代に、昭和のようなアナログ設定にド肝を抜かれた。 東京のド真ん中で、なんだこれ。
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