第1章

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それでも子供は育つ。 幼い頃思いっきり放っておかれたけど、中学生に入ってから思い出したかのようにやたら干渉するようになってきた。 まるで私が不良にならないかを監視しているような、異常な執着ぶりだった。 中学にもなると家にいること自体が息苦しくなる。 さらにいままでなかった干渉と執着がはじまる。 思い通りにさせようと、有無を言わさず上から押さえ付ける言動に息が詰まりそうだった。 小学生までは構って欲しくて、色々話しかけても放置だったのに。 いまさら急に構われても、すっかりその感覚に慣れてしまった思春期の私には鬱陶しいだけ。 あべこべな母親の愛情に嫌気が差し、ぶつかり合う毎日。 だんだんと心が離れていった。 そんな時に輪をかけるように、母親に彼氏ができる。 家に出入りするようになり、挙句の果ては父親ずらし始めた。 冗談じゃない。 母親に彼氏ができたこと自体気持ちが悪いのに、赤の他人に誰が父親なんて思う んだよ。 母親の行動は、すべてが裏目に出ていた。
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