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「まぁ6なら問題ないな」
「あの、ワイバーンというのは……?」
「魔物の一種。空を飛んで人や動物に襲い掛かる」
文月はぽかーんとする。
外に行くのにワイバーンに注意?
「初めてかい?」
当たり前だ。文月はこっくりと頷く。
「あの、よくあるんですか?こういう事」
「たまにだね。珍しいってわけじゃ無いけど、いつもの事って程でもない」
リグロルが白いコートと白いケープを持ってきて文月に着せてくれる。
ふわぁ、ふわふわで気持ちいい。文月は思わず首をかしげてケープに頬ずりした。
目を閉じて嬉しそうにケープにすりすりしている文月をもうちょっと見ていたくもあったがタルドレムは文月の手をとりゆっくりと立ち上がらせた。
リグロルが二人の邪魔にならないように素早く文月のコートを整える。
「行こうか」
「うん」
王子の腕を支えにしながら文月はようやくこの部屋の外へ出た。
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